急な仏事に際したとき、「あれってどうすればいいんだろう。」などと、困ったり、疑問に思ったりすることがありませんか。
 しかし、そんな困ったときでも、その疑問に答えてくれる方が身近にいなかったり、聞きづらいこともあるかと思います。
 そこでこのページでは、多くの方々よりご質問いただいたものをお答えいたします。いざという時にご参考になさってください。



●仏事全般に関するQ&A
Q 1.お布施とは
Q 2.お墓参りについて
Q 3.塔婆とは
Q 4.仏壇の飾り方、お参りの仕方
Q 5.お焼香の方法
Q 6.数珠とは
Q 7.香典について

●葬儀・通夜に関するQ&A
Q 8.身内の不幸。まず何をすればいいの?
Q 9.お布施はいくらくらい払えばいいの?
Q10.葬儀に呼ばれた際のマナー

●法事に関するQ&A
Q11.法事とは
Q12.法事のご予約
Q13.法事の際に必要なものは?
Q14.法事の際の服装




●仏事全般に関するQ&A


 お布施とは

  お布施は、お釈迦さまの時代のインドの僧侶と信者との間に生まれた習慣から始まったといわれています。
 僧侶たちの説くお釈迦さまのありがたい教えや、お経に対するお礼の気持ちの形として、当時とても高価なものであった「布」を、「施した」ことから「布施」といわれるようになりました。
 このようにお布施とは、感謝の気持ちの表れとして、「何かをしてあげる」ことに本来の意味があります。
 今の日本では、お布施とはお経に対して支払う「お経料」のイメージを持つ方が多くおられますが、お経に対する対価ではなく、ありがたいお経に対しての感謝の形として、現代ではお金を施すという形になったものです。

浄蓮寺では
 僧侶と共に営む法要が、故人にとっていい供養になったとお施主様が思われたら、その分のお気持ちをお布施として戴いております。
 なぜなら、お施主様や遺家族さまが、「よい供養をしてくれたお坊さんに感謝します。」といった、「喜捨」の心があらわれたお布施でないと、僧侶としての責務をまっとうしたとは言えず、戴いた僧侶自身が罪を背負うことになると考えるからです。
 もし、当山の僧侶を加えず、遺家族だけで営む供養のほうが、故人の為になったと感じられたなら、お布施をお納めいただかなくても結構です。

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お墓参りについて。

  お墓は単なる遺骨を埋葬するための施設のように思われがちですが、それだけではありません。
 お釈迦さまの説かれた法華経の『如来神力品第二十一』というお経によると、「塔を建てて供養すべし。このところは即ち道場なり」とあります。
 塔(お墓やお塔婆)は仏さまとなったご先祖さまの最高の悟りを開ける場所であり、皆さまのお墓にお参りよって、仏さまの境地に近づくための道場なのです。
 つまりお墓参りとは、ご先祖さまのご供養と同時に、仏さまのご加護により、正しい心や生き方を見つける心の修行でもあるのです。

 お参りの際には、お花やお線香、故人の好きだった食べ物や飲み物をご用意します。お花などのご用意したものお供えし、お墓には清めの為、お水を三回かけます。墓石は水を吸い変色したり、水垢がつく場合がある為、水はきれいに拭取りましょう。そしてお線香を焚き、手を合わせ南無妙法蓮華経と三回唱えてからお参りしましょう。
 また、近年では管理上の理由により、お供え物はお参り後はお持ち帰りいただく所が多いので、管理されている所に確認されると良いでしょう。

 浄蓮寺では
 お墓参りこられた際には、出来る限り僧侶も墓前に参り、共にご先祖様に感謝の誠を捧げるお経をさせて戴いております。
 この読経は、お参り下さった皆様への感謝、、自らの修行を目的として行っておりますので、お金によるお布施は、頂戴しておりません。

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 塔婆とは

  今から約2500年前、お釈迦様のお墓として古代インド語で「塔」を意味する“ストゥーパ”が建てられました。その“ストゥーパ”が中国に伝わり、“卒塔婆(そとうば)”などの漢字が充てられて、現在の「塔婆」になりました。
 また塔自体も、石塔や五重塔などの形とは別に、木の板を五重塔に見立てた「板塔婆」などを用いるようになり、現在ではその「板塔婆」を主に「塔婆」と呼ぶようになりました。
 本来であれば五重塔などの塔を建てて供養するのですが、毎回ご供養の際に実際に塔を建てるというのは大変な事ですから、簡易的な塔である「塔婆」を建てて供養するのです。

 塔婆はお墓と同じように塔としての意味を持っていますので、詳しくはQ2のお墓参りについてをご参照ください。
 

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 仏壇の飾り方、お参りの仕方

  お仏壇は、各ご家庭に仏さまをお祀りする場所です。
 また、ご先祖さまのお住まいになられる所でもありますので、本来は和室の床の間など、その家の中心となるような一番良い場所に置くものです。
 しかし、住宅事情の変化などから和室のないご家庭もありますので、その場合はお客さんが来てもお参りしやすいように、リビングなどの人の集まる場所に置いてもけっこうです。
 ご仏壇の奥の中央に本尊となるおマンダラ、その前に日蓮上人像をお祀りし、次の段にお位牌を配置します。仏壇の大きさや形も様々なので、どうしてもこのように並べられない場合は、お位牌を日蓮聖人像の横などのご本尊の隠れない場所に並べる場合もあります。

 お参りは、ろうそくに明かりを入れ、線香を一本(丁寧にする場合は三本)つけます。おりんを3回鳴らし、南無妙法蓮華経と三回お唱えしてお参りすると良いでしょう。
 

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 お焼香の方法

  葬儀や法事の際にはお焼香を焚きます。これは心と身体の穢れを取り除き、清浄な心でお参りする際の作法とされます。
 また、没後49日間は魂が身体から離れた霊体になりますが、この間は香を食すと言われているため、この間はお香を絶やさないようにといわれるようになりました。
 線香もお香の一種ですが、ここでは抹香とよばれる、一般に葬儀などで使われるお焼香の作法をご紹介します。
 ①まず一礼して香炉へ進み、ご遺族、僧侶へ一礼した後、ご本尊に一礼します。
 ②左手に数珠を掛けて右手の親指と人差し指・中指で香をつまみます。
 ③左手を受けるように添えながら、おしいただくようなかたちで捧げます。
 ④つまんだお焼香を香炉に静かに入れます。
 ⑤合掌してからさがります。
 ※進行状態により司会者から一回焼香を、お願いする場合もあります。

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 数珠ってなあに?

  仏事に良く使われる仏具のひとつで、仏教徒の証です。
 108個の珠(たま)で主な輪が作られおり、108つの煩悩を断ち切るという意味があります。

 輪を構成する珠のうち、一番大きい2つの珠を親珠(おやだま)、輪を主に構成する108個の珠を主珠(おもだま)、主珠の間に挟まれている主珠より小さい4つの珠を四天珠(してんだま)といいます。親珠には、四天珠のある側からは二本、ない側からは三本の房がついてます。
 また、房が二つ付いている側の親珠は釈迦牟尼仏を、もう一方の親珠は多宝如来を表し、四天珠は上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩を表しています。
 珠の数が半数や、それより少ない略式化された数珠もありますが、日蓮宗では使われておりません。

 数珠の掛け方は、数珠を二重にして房を下にし、左手の親指と人差し指の間にかける方法と、三本の房のついている親珠を左手の中指に、二本の房のついている親珠を右手の中指に掛け、数珠を半分ひねるように合掌する方法との2種類の方法があります。
 主に前者の方法を使いますが、お題目を唱える時は後者の掛け方の方が良いでしょう。

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 香典について

  人は死後、死出の山から七日ずつ関所のある道を七回かけて旅をして、その後に死後の行き先が決まるとされています。
 その間は霊体であり、七七日忌(四十九日忌)に仏になるといわれています。  その為、七七日忌より前は『御霊前』を使い、七七日忌とその後は『御佛前』を使います。

 香典袋の水引は結切(とけにくい結び=何度もこないように)のものを使い、のしは使用しません。
 折り方は、悲しみが再びないように頭を伏し、上側の折り返しを上に重ねます。
 できるだけ毛筆を使い(悲しみで墨がうすれるという意味でうす墨を使いますが、濃い墨でもよいようです)、中央上部に表書きを書き、中央下部に上部よりやや小さめにフルネームで記入します。
 香典袋の裏または表に住所を書き、金額は裏に書きます。中袋がある場合は中袋に住所・金額を記入します。

 ふくさは右、下、上、左の順番に折ります。

 包む金額の目安
送り先 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 関東 関西
勤務先の上司 4,670   7,410 8,760 8,030 6,430
勤務先の同僚   4,000 6,420 6,940 6,730 5,310
勤務先の部下     6,960 9,100 6,450 9,840
勤務先社社員の家族 3,920 4,740 6,920 6,390 5,730 6,650
取引先関係   12,790 9,340 10,860 12,450 8,650
祖父母 20,710 20,740     14,930 27,600
両親     77,330   74,970 68,250
兄弟・姉妹       52,310 50,410 65,240
おじ・おば 9,560 12,570 21,020 19,170 15,860 18,500
その他親戚   13,140 16,350 21,820 15,070 20,150
友人・知人   5,610 8,220 8,090 9,440 5,950
隣・近所   4,560 5,520 8,090 5,300 6,800
友人・知人の家族 4,500 4,770 6,290 8,670 6,360 6,900

(単位:円) ※1997年4月三和銀行調べ

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●葬儀・通夜に関するQ&A


 身内の不幸。まず何をすればいいの?

  身内にご不幸があると、混乱して何が何だか分からないうちに時が過ぎていってしまうものです。
 ですから、まず菩提寺へご連絡ください。お寺でしたら葬儀社などの業者にも詳しいですし、様々なご相談にのってもらえるはずです。

 近年では自宅葬はほとんど見られなくなり、会館を使って葬儀を行うことが多くなりました。会館などを使うにも費用がかかります。公営の会館を使えればいいのですが、費用の安い公営の会館はなかなか予約が取れない事が多いようです。
 お寺によっては葬儀の際もお堂で行うことができるお寺もあります。ご費用を安く抑えるためにも、まずお寺へ相談なされるほうが良いでしょう。

 人生の最期の準備をすることは、不謹慎なことではありません。ですから事前にお寺に相談するなど、平時よりいざという時のための心構えをしておくことも大切なことです。

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 お布施はいくらくらい払えばいいの?

  Q1のお布施ってなあに?でお答えしたように、葬儀の代金としてお布施を支払うのでも、その金額によって故人が成仏するのでもなく、お布施とは故人の供養に対する感謝の気持ちです。
 しかしそうは言っても、現代ではお金でお布施をする習慣がありますし、その宗派や地域、葬儀の規模、戒名などによって、ある程度の相場があることもまた事実です。
 ですから、必ず葬儀の打ち合わせなどで事前にお寺へ行くようにして、そのときにお布施についてもご相談すると良いでしょう。

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 葬儀に呼ばれた際のマナー

  葬儀には様々な作法があり、呼ばれた際にはつい作法の方ばかりに気を取られがちですが、個人を偲ぶ気持ちやご遺族を労わる気持ちを忘れてはいけません。
 服装や作法などで多少間違えがあったとしても、故人やご遺族への気持ちがあれば、その気持ちは伝わるものなのです。
 特にご遺族は、葬儀の最中には気が張って自分でも気づきませんが、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積されているものです。十分に労わってあげてください。
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●法事に関するQ&A


 法事って?

  法事とは、「法要をする仏教行事」がつまって「法事」と呼ぶようになったといわれています。つまり僧侶を呼びお経を読み、亡くなった方への供養をする行事全般のことを「法事」といいます

 法事は亡くなった方へのご供養をする仏教行事ですが、ご先祖をご供養することが自分自身の功徳を積むことにもなります。
 法事の際には親族が集まることも多く、ご先祖さまに遺族の経年変化や無事をご報告する、またとない機会です。皆さまの幸せがご先祖さまの幸せでもありますので、法事には積極的に参加なされると良いでしょう。

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 法事のご予約

  法事を行うには僧侶を呼んでお経を読んでもらうわけですが、あまり急ですと僧侶の都合がつかない場合もあります。そこで事前に予約をしておくことをお薦めします。
 法事の予約をする際に決めておく事は、『①日程・時間 ②参加人数 ③場所 ④会席の有無 ⑤お塔婆の本数とあげる方のお名前』の五点です。
 その五点をできるだけ決めておき、お寺へ連絡して予約を取ってください。予め決めておいた日程通り予約できるとは限りませんので、第二候補、第三候補と用意しておくと、よりスムーズに予約できると思います。
 また、日程だけ予約して、人数などは決まってから連絡することも可能です。

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 法事の際に必要なものは?

  亡くなった方へ捧げるお花や故人の好きだった食飲物。また、お参りの際にお位牌やお写真などもあるとお参りしやすいと思います。
 お墓のある方はお墓へあげるお花、線香、供物。新たに仏具をご購入した方は一緒に開眼供養(魂入れの儀式)するために持ってくるといいでしょう。
 また法事の際のお布施ですが、お気持ちですので一概にいくらとは言えませんが、当山では5万円程度が多いようです。黒ののし袋にお布施と書いてご用意しておくとよいでしょう
 他にもわからないことが多いと思いますので、その際はお気軽にお寺までご一報ください。

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 法事の際の服装

  基本は喪服ですが、施主さまの意向により略礼服の場合や、派手じゃない平服の場合もあります。
 少なくとも喪中である一周忌までは喪服をご用意した方が良いでしょう。

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その他、ご質問等がございましたら、お気軽にお尋ねください



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